マッスルエナジーストレッチとは
独自メソッド『マッスルエナジーストレッチ』は1874年にアメリカの医師アンドリュー・テイラー・スティルによって創始されたオステオパシーテクニックの一つ「マッスルエナジーテクニック」を協会理事である仙仁がその各種手技を1999年より研究しカイロプラクティックやストレッチ、モビライゼーション等と組み合わせて再構築し新たに創始したストレッチです。
トレーナーの対抗力に抵抗して、受け手がある一定方向へ筋繊維を収縮させるときに起こるアクティベーションフォースを利用したストレッチテクニックです。
従来、行われてきた一般的なストレッチではたどり着くことができなかった領域のストレッチ効果により安全で即効性の高い効果的なストレッチです。
よって、【マッスルエナジーストレッチ】のエビデンスとなる部分はその殆どがオステオパシーに基づくものであり、世界中で広がりを見せるオステオパシーの概念そのものと言えます。
非スラストの手技になりますので、とても安全性が高くどなたでも学んだその日から取り入れることができ、子供からご年配の方までどんな方にも施術していただけます。
マッスルエナジーストレッチは一般的に広く普及しているストレッチ以上の効果を持ち、専門的に学んだトレーナーのみが行うことのできるストレッチテクニックです。
マッスルエナジーストレッチを習得したトレーナーはトレーナーとしての価値を更に高めることができると同時に付加価値の高いトレーナーとしてその活躍が期待されるトレーナーになることができると期待されます。
マッスルエナジーストレッチと関節バリヤー
関節バリヤーの概念(barrier)
1)生理学的バリヤー
(physiological barrier)
各関節の解剖学的バリヤーの範囲の中で自発的に動かせる可動域。
2)解剖学的バリヤー
(anatomic barrier)
生理学的バリヤーを超えて他動的に動かせる可動域。
3)制限的バリヤー
(restrictive barrier)
解剖学的可動範囲内で正常な生理学的可動範囲の機能的制限。
マッスルエナジーストレッチでは、制限的バリヤーを解剖学的バリヤーへと可動域を変化させるストレッチテクニックです。
短縮、過緊張した筋・筋群をリラックスさせ、筋を休止状態の長さにもどし、関節運動に関わる筋・筋膜のバランスを取りもどし、可動制限のある関節の可動域を拡大させるストレッチです。
マッスルエナジーテクニックのメカニズム
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脊髄レベルによる筋の伸張
ゴルジ腱器官反射からの抑制作用により、腱に過大な張力が加わると筋、腱の断裂を防ごうとして筋緊張を抑制して筋全体の弛緩が起こる。
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上位脳レベルによる筋の伸張
ゴルジ腱器官からの信号が脊髄小脳路を通って上行し、小脳へ行く。この信号が脳で処理された後、下行して筋緊張を抑制する。
マッスルエナジーストレッチとスポーツパフォーマンス
マッスルエナジーストレッチがスポーツパフォーマンスの向上に結びつく根拠は、下記の通りである。
1.
ダメージを受けた筋肉組織を含む軟部組織へのリカバリー効果
マッスルエナジーストレッチの自動的収縮はコラーゲン合成を増加させ、コラーゲン線維を正常な平行配置に再配置し、異常な交差結合および癒着を分解し、短縮組織を伸張する伸張力を引き起こす。
2.
ウォーミングアップなどで目的とする筋肉と関節を温める効果
自動的筋収縮のエネルギーは収縮が解放され、筋が弛緩した後に熱として放出される。
ダイナミックストレッチなどと組み合わせたウォーミングアップと組み合わせることでより高い効果を発揮する。